2018-02-03 Craven (Keyboard) の感想
2018-01-23 から放置していた Craven の感想をそろそろ書く。 Craven は MiniDox のおまけとして @kmtoki がつけてくれたキーボードだ。
あと例のおまけ。ついでにつくってる的な話かと思ったら普通に入ってて「あれ、ぼくは minidox を買ったはずでは……」ってなってる。キーボードを買ったらキーボードがついてきたという謎の世界。 pic.twitter.com/8kUpsWCxLf
— bouzuya (@bouzuya) 2018年1月23日
作者による説明を引用する。
ブログ記事にはしていなかったがCravenというキーボードをオリジナルで作っていたのでそれをおまけとした。 CravenはKailhのロープロスイッチ専用でAdafruitのFeatherというBluetoothに対応したマイコンとProMicroの2つに対応している、薄型、一体分離型、40%キーボードだ。 一応、無線化に成功したがマイコン側のピンアサインを理解してなくて、ジャンパが必要になってしまったり、自分でファームウェアを書く羽目になったりで面倒だった。 ProMicroは問題なく動いた動作しQMKにも対応した。 基板が薄いのでボディがよじれていて、がたつきがあるので実用に耐えなかったが、基板を二枚の間にスペーサーを大量に噛ませ、サンドイッチプレートとした。 なんとかそれで収まった気がするが、はやりよじれが残っているので、力任せにボディを捻って歪みを調整する必要がある。
いろいろ試しているのだなあという感じ (雑) 。
(ぼくから見た) 特徴。
- 一体分離型
- キー数 50 (6x4 + 1 が左右に)
- 薄型 Kailh Low Profile
- それぞれの手は格子型で、全体としては扇状
結論から書くと「なんとなくしっくりこない」という印象。ただ、ぼくの理想との中間点のように思うので、とても今後の参考になる。
まず比較対象を挙げる。ぼくは Let's Split と Macbook Air の付属キーボードを使っている。基本的にはそれらとの比較になる。ちなみに過去のキーボード歴としては↓のような流れ。 Macbook Air などノートパソコン向けのキーボードは並行して使っている。
- Realforce (Full)
- Realforce (TKL)
- ErgoDox EZ
- Let's Split
- MiniDox
- Let's Split
厚みは Let's Split の半分くらい。うちの Let's Split がクッションゴムから DSA Family のキーキャップの先端までで 35mm くらい。 Craven は 23mm 。たかが 12mm だけど、 Let's Split はリストレストがあってもいいかなって気持ちになるし、 Craven はなしで良いと即断できるくらいの差はある。
キースイッチ。 Let's Split は Gateron Red (45g Linear) で、 Craven は Kailh Low Profile White (50g Clicky) だと思う (追記あり、クリックをなくした特殊なものらしい) 。重さの差はそんなにないはずなんだけど、体感的ではわりと重く感じる。 Low Profile かの差もあるのかな。 Macbook Air はポコッポコッって感じで、 Craven のほうがすっと入る感じ。
キーピッチ。全長は一体型で中央に余白のある Craven がもちろん大きいのだけど、キー部分だけだとすこし異なる。 Craven は 7 列あるのだけど 6 列で比較する。 Let's Split で 114mm , Craven で 108mm 。 1 列につき 1mm ずつ狭いのかな。気持ち、せまく感じるのはそのせいかもしれない。ちなみに Macbook Air だと 111mm 。慣れれば問題ないくらいの差だと思う。
左右の間隔。 Macbook Air はなし。 Let's Split は自由。 Craven は固定。肩幅よりせまい。 Craven は Macbook よりやや大きいくらい。せまく感じる要因はここにもあるのかも……。
角度。これがちょっと気になる。 Macbook Air はまっすぐ。 Let's Split はそれぞれの手はまっすぐで、左右は分離しているので自由。 Craven はそれぞれの片手はまっすぐで、全体としては扇型で固定。この角度を固定されている点があまりしっくりこない原因だと思う。 Macbook Air のものよりは人間にやさしい角度なはず。だけど、実運用としては Macbook Air でもトラックパッドの都合もあって手首を寄せずに入力しているんだよね……。自分好みの角度に開いていて、キーの不自然な位置は慣れで解消しているのだと思う。ぼくの場合は右手側をちょっと開く感じかな。 ,./ のキーがあるあたりは頻度がすこし減るし、記号類が右に多いからもともと右手は落ち着かないのだろうね。
キー数。 Let's Split では 36 キーで使っている (5 * 3 + 3) * 2 。親指以外の指で 5 列を使っている。 Craven はそこに 6 列ある。小指が十分に届く位置なので、これは良いかも。 -
などを配置すれば普通のキーボードの使用感にかなり近づけられると思う。 4 行目の小指側から 4 キーはあまり使わなさそう。
ぼくの理想との差。
薄型は疲れが心配だけど、それを抜きにすれば良さそう。底を打っている感じは長時間の入力だと疲れそう。リストレストを不要だと確信できるくらいの厚みは良い。キーボードは身軽なほうがいいんだ。 Pro Micro の位置やクッションゴムをあらかじめ考慮すればもっと薄くできそう。強度 (ねじれ ? ) の問題があるらしいし、想像通りにはいかないんだろうな。あと、もうちょっとだけ軽いスイッチはないのかな。返りが悪くなるのかな。
一体型。ぼくは一体分離より完全分離のほうが好み。 Let's Split をもっと広い幅で使っているので。さきに書いたような角度の問題もある。どうも kmtoki さんは一体分離が来ると踏んでるようなので、展開に期待したい (一体分離型だと Kinesis の製品と戦うことになりそうだけど……) 。
4 行 7 列 (親指以外で 6 列) は良いかも。いまの 36 キーに左右 3 キーずつで 42 キー。 5 行は触ってみた感じ、厳しそう。どうしてもホームポジションが崩される。 Nyquist でも感じたのだけど、平面で 5 行はちょっと遠そう。 Nyquist はキーキャップが悪いせいもあるかな。お椀型のように形状を変えれば可能性はあると思う。
ああ、最後に、すごく大切なことを忘れていた。 kmtoki アイコンが基板についているのだけど、これがすごく良い。なんならこれだけど bouzuya アイコンをつけたキーボードをつくりたい。
追記: そもそもオリジナルのキーボードをつくれるってこと自体が良いよね。アイコンはさらにそのオリジナル感を強める意味で良いな、って。
追記: http://kumatoki.hatenablog.com/entry/2018/02/05/220000 にこの感想への反応あり。特に訂正が必要なのはスイッチの件。「スイッチはロープロの白軸でクリックなんだけど、クリック機能を取っ払った特殊スイッチ」とのこと。
2018-01-29 に書いた IRKit の件、やはり NATURE REMO と現状やっていたことと同じことができた。どうしていままで仕舞われていたのだろう。また何かできたら書く。
『計算論 計算可能性とラムダ計算』は順調に読み進めている。 I S K (あと Y) が出てきた。いつもの感がある。