2012-03-04 『バクマン。』とブレーンストーミング
アニメ『バクマン。』を見ている。
『バクマン。』は二人の主人公が協力して漫画家を目指すという話である。友人にすすめられてアニメを見はじめたため、原作である漫画を読んでおらず、詳細な説明はできない。ネタバレを恐れず、どうしても詳細が気になる場合にはWikipediaの『バクマン。』の項を見てほしい。ネタバレが多すぎるので、ぼくはおすすめしない。
さて、現在アニメではここ数回の間、主人公たちが新しい作品のアイデアを出している。背景としては、主人公たちが自らの都合で連載していた作品の終了を会社に要求し、会社からの条件として一定期間のうちに良い作品を提出しない場合は辞めさせることを提示されたという状況である。そんな背景もあって必死にアイデアを出している。
このアイデア出しの様子を見ていて、ぼくは見習いたいと感じた点がある。
それが「いいね」という言葉である。
Facebookでおなじみの「いいね」であるが、『バクマン。』でも「いいね」が頻繁に使われる。主人公たちは誰かがアイデアを出したときに頻繁に「いいね」と言う。額に汗を浮かべる様子が描かれており、疑問や不安などがありそうな表情なのだが、それでも「いいね、それはいけるよ」といった調子で同意し肯定しあうのである。
ぼくはこの絵を見て、まっさきに「ブレーンストーミング」を思い浮かべた。
ブレーンストーミングは会議の手法の一つであり、主にアイデア出しに使われる。特徴としては、次のようなものがある。
- 批判は良くない(例えば「お金がないからそんな方法は無理だよ」のような発言はダメ)
- 自由奔放なアイデアが良い(例えば「宇宙から金属棒落として攻撃しようよ」は良いアイデア)
- 量が重視される(数うちゃ当たる)
- アイデアからアイデアを生み出す(アイデアを組み合わせたり、発展させたり)
『バクマン。』の中では一つめと四つめがよく描かれる。否定せず「いいね、いけるよそれ」と受けて、さらに「どんどん浮かんでくる。例えば~」のようにアイデアをさらに掘り下げた提案が返される。
ブレーンストーミングという言葉は出てこない(過去に出てきていたらすいません)ものの、彼らの行動はブレーンストーミングの特徴を押さえているのだ。
ぼく自身に照らしてみたとき、この「いいね」ができていなかったと感じる。
「でも、~」とか、「~な点で現実的じゃない」とかそういった言葉が先行して、相手のアイデアや意見を潰してしまっていたように思う。ブレーンストーミングの基本原則について知っていたにも関わらず、だ。
アイデアをうまく引き出せることはさまざまな場面で有用そうだ。『バクマン。』のような「いいね」という肯定の姿勢を見習いたいとぼくは思う。
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