婚約した。

1 年半ほど付き合っていた彼女と婚約した。

今日という日や場所はとにかく忘れにくい、理由のあるものを選び、記念日におけるエラーを防ぐよう努めた。記念日は増えるとぼくには覚えられないので少なくするにこしたことはない。年にせいぜい 3 日か 4 日が限度だ。場所もあやふやになりやすいので、思い出の場所、よく行く場所を選んだ。多少の災害では失われないような場所にした。

婚約指輪を贈った。すこし大きなダイヤモンドがひと粒ととても小さなダイヤモンドがたくさんあしらわれた銀の指輪である。それが良いものなのか悪いものなのかは知識がなくはっきりしないが、かけた費用で言うとぼくの普段使いのノートパソコンとスマートフォンを足しても届かない金額ではあるので、ぼくの手の届く範囲で、その気持ちが伝わるくらいのものを贈ったつもりではある。口約束でも契約にはなりそうだけど、形にしてしまうほうが良いこともあるし、彼女はこういうものを喜ぶ人間なので、そうしたほうが良いと思ったからだ。

婚姻の日取りとしては今年の秋ごろなので、まだすこし先ではあるが、おそらく決め事などをしているうちに、その日になってしまうだろう。早めに伝えているようで、本当は去年でも良かったので、むしろ既に遅れてしまっている。先に挙げた、記念日を減らす原則を適用した結果である。

ひとまずはその日に向けてタスクを洗い出して、それを片付けていきたい。