2012-11-16 落日
東京事変の『落日』を聞きながら、ぼんやりとしている。
終電にすこしの余裕をもって間に合うようにぼくはエレベーターに乗った。同僚と一緒だったのだけれど、ただ、だまっていた。問題は話題の有無ではなくて、疲れていることとか、風邪をうつすまいとつけているマスクが息苦しいとか、そのあたりだ。
慣れって怖いな、って。
何だろう。エレベーターでは耳がまたピンとなったのだけれど、それにも大した感情を持たなくて、きっとこれが慣れなんだろうな、って思った。
苦しいことも楽しいことも、幸せだって不幸せだって、当たり前になってしまって、慣れてしまって、分からなくなってしまうのだろう。うまくいくことを願っていることが、もし、うまくいったとしても、気付けば慣れてしまって、当たり前の一部になってしまって、分からなくなってしまうのだろう。
当たり前の一部には、きっと感情を持つべきものがあるのだろうけれど、それに気付かないまま、ぼくはエレベーターに乗って、終電に乗って、帰ってきて、ただぼんやり『落日』を聞いている。太陽の去るのも見ていないけれど、明日もまた仕事だと思うと、なぜだか笑えてしまう。どうしてだろうね。
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