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2012-02-01 悩ませないインタフェース

良いインタフェースのひとつの条件は悩ませないことである。ひとめ見たときにどのように使うのかが分からない。ふたつあるボタンの違いが分からない。どうリンクをたどれば目的のページにたどりつけるのかが分からない。このようなどうしていいのか迷わせることはだめなのである。

悩ませないためにはいくつかの方法がある。

先の例に対応するものでいえば、ボタンのように突起させることで押せることを示したり、リンクのようにマウスカーソルの形を変えてできる動きを示したり、ボタンのテキストが押したときの動きをきちんと説明できるように考えるとか、サイトの構造を木構造にした上でマップをもうけてリンク先を分かりやすくするとか……。

悩ませないためには相手の選択肢を削ることを考えるべきだ。選択肢がなければ悩むこともない。

ここまでが前置きである。ぼくがしたいのは勤務先のビルのトイレの話だ。

勤務先のビルにはトイレがある。当然である。トイレには個室があり便座がひとつとトイレットペーパーがふたつついている。そう、トイレットペーパーがふたつある。

壁に置かれたペーパーホルダーが、縦に補充用のトイレットペーパーをたくわえることができる縦長の形ではなく、横に通常のペーパーホルダーをふたつ置く横長の形なのだ。

そしてぼくは悩む。どちらを使えばいいのか。

はじめは三角に折られているとして、ふたつあるうちの一方が三角でもう一方が三角でない場合は分かりやすい。三角でない方が使われているのでそちらを優先的に使う。次にふたつあるうちの両方が三角に折られていないものはどうする。量を見るのか。ううむ。はたまた両方とも三角の場合はどうする。便座に近い方を使うのか。遠い方を使うのか……。

まとめよう。伝えたいことは頭に書いたとおりである。良いインタフェースのひとつの条件は悩ませないことである。悩ませないというのは不要なところで悩ませないということだ。トイレットペーパーのホルダーで悩む必要はない。悩ませないように作るべきだ。

今回はどうでもいいことに悩むあたり、利用者であるぼくにも問題はある。それでも提供者の視線に立つならば、悩ませる必要のあることは何かを考え、不必要に悩ませない。そのようなインタフェースを目指すべきだ。

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