blog.bouzuya.net

2016-06-02 『ソロモンの偽証』をみた

『ソロモンの偽証』を観た。地上波にて 2 週連続で放送されていたものを 2 本一気に録画で観た。ネタバレする。

面白かった。なぜ柏木は死んだのかという謎に対して、手紙や校内裁判での証言を経て、真実に近づいていく。常に続きが気になるようできていて良かった。

「ソロモンの偽証」の題の意味は何だったのだろう。「偽証」はともかく、「ソロモン」は何なのか分からないので調べた。 ソロモン - Wikipedia には次のようにある。

ソロモンはエジプトのファラオ[1]の娘をめとり、ギブオンで盛大なささげものをした。そこで神がソロモンの夢枕に立ち、「何でも願うものを与えよう」というと、ソロモンは知恵を求めた。神はこれを喜び、多くのものを与えることを約束した。ここからソロモンは知恵者のシンボルとなり、ソロモンが子供のことで争う2人の女の一件で賢明な判断を示した逸話は広く世界に伝わり、後に江戸時代の大岡裁きの話にも取り込まれた[2]。

ソロモンは知恵者・賢明な判断をする者のような意味合いだろう。偽証は偽りの証言のことだろう。

ソロモンの偽証には、偽りの証言をした人物は相当な数が居るので、誰がソロモンという断定は難しい。ぼくなりに印象的だった人物を挙げる。

特に印象的なのは、おそらく大出俊次の弁護人を務めた神原和彦だろう。『後篇・裁判』の校内裁判を仕組んだ人物だし、柏木卓也が自殺したという真実をはじめから知っていた。最後に証人として裁判に参加する。映画の視聴者に対して真実を偽り続けた人物でもあると思う。

他に挙げるなら偽りの手紙を送って事件を大きくした三宅樹理だろう。賢いというよりずる賢しいという印象が強い。映画の視聴者に対しては大した偽りがなく、分かりやすい位置に居た。校内裁判において、保身のために目撃証言を友人の浅井松子の責任にした。浅井松子が嘘をついたのかは彼女以外には分からないはずだ。おそらく本人の様子を見れば明らか……ということなのだろう。

長い割に……というのはあるかもしれないけど、ぼくとしてはなかなか面白かった。